今の働き方が変わる?パラレルキャリア時代のワーク・デザイン

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ワーク・デザイン これからの働き方の設計図

現代日本人の働き方として、メジャーな考え方で言うと、大企業に属して・・・だとか、公務員として・・・だとかがベストであるかのように言われることが多いのですが、実際のところはどうなのでしょうか。
そういった理想の働き方は確かに概念として存在するのですが、実際には非正規雇用が増えていたり、フリーランスとして働く人が増えていたりするのが実情だと思います。
そして、そうした働き方も、しぶしぶそういう働き方をしているわけではなく、ひとつの選択であるという考え方も、徐々に現れだしてきたとも感じられます。

本書はそんな現代日本人の働き方が今後どのように変化していくのか、今後私たちはどのように仕事を捉えるべきなのかがまとめられている書籍になります。

ブラック企業ができる理由

今後人間に仕事を与えるためにロボット化に歯止めをかけると、競争力維持(あるいは向上)の名のもと、人間に必要以上に大きな負担がかかってしまう、ということだ。

現代社会では、多くの仕事が機械で代替できます。

これによって、以前は人間が行っていた仕事の多くが、機械によって自動化することができるようになりました。
この状況にあるにもかかわらず、仕事を与えて生活を維持させるためにと、機械でできることを人間にやらせた場合、どういうことが起こるでしょうか。
他所が機械によって自動で行っているのですから、人間が同じことをやろうとすると、当然効率が悪くなります。
だからといって、企業にとってしてみれば、競争力を落とすわけにはいかないので、その人間には必要以上の成果を求められるようになります。

こうしてブラック企業が誕生するわけです。

人間が本来やるべき仕事に人材がまわらない

こうした機械ができることを人間がやっていることで生じるデメリットにはもう一つあります。
それは、人間が本来やるべき、創造的な、クリエイティブな仕事ができる人材が不足してしまうということ。

私は、Web業界に携わる人間ですが、常に人材不足に悩まされている現場を目にしています。
クリエイティブな仕事をしている現場がブラック企業のような状態になってしまうのも、機械ができることを人間がやってしまっていることによる弊害だと言えるでしょう。

失敗のリスクとパラレルキャリア

こうした現状を打破するためには、機械にできることは機械にやらせてしまって、私たちは創造的な仕事をすることに専念するべきだ、というのが本書の論旨です。

今伝えたいのは、失敗そのものもローコストになり始めている、という事実なのだ。

幸い、現代には、「仕事を創り出す」ということにかかるコストはどんどん下がってきており、会社員を勤める傍らフリーランサーとして活動したり、複数の組織を運用しながら生計を立てる人々が増えているように思われます。

これからの私たちの仕事に必要とされるもの

人間性・人格

「人間が再び、機能や能力よりも人格によって評価されやすい時代になる」

これまでの社会人の中には、会社に出社しているだけで特に仕事をしなくても、年功序列で生活が豊かになるという場面も確かに存在していたかと思います。
そんな年功序列の考え方が、音を立てて崩壊しつつあるということも、皆さんご存知の通りかと思います。

そこで新たに出てくるのが、フリーランスになったり、事業を起こしたりといった考えなのですが、これを実現するには機能や能力だけでは不十分なことが多いです。
フリーランスや新規事業は、何よりも信頼が重要になります。

また、機械によって置き換えられる仕事がほとんどである中で、「いかに人様のお役に立つ仕事を創出するか」を考えられるかという点においても、人間性や人格は重要になるでしょう。

よく誤解される点ではありますが、顔の見えないインターネットだからこそ、信頼性というのは非常に重要なファクターとなります。
後述するクラウド・ソーシングにおいても、「スキル」や「仕事の速さ」といった個人的な能力によるものよりも、これまでどれだけの人に評価されてきたかという「口コミ」であったり「実績」が重視される傾向にあります。

クリエイティブの意味を見つめなおすことも必要?

これまでの仕事力は、「問題解決的」であり「分析対応的」であった。しかし、これから求められる力は「機会発見的」かつ「環境適応的」な力が必要となる。つまり、「予見力」が不可欠となる。

現状、クリエイティブといえば、広告業界でよく使われる、誰かに訴求を行うための手段であると捉えられることが多いです。
ですが、実際のところ、こうしたクリエイティブは、「クリエイティブ」と名前がついているにしろ、多くの場合は、モノやサービスを売るためのセオリーに沿って、「問題解決的」あるいは「分析対応的」に作られていることがほとんどです。
こうした仕事は、いくら「クリエイティブ」と名前がついていたとしても、機械に代替されるのは時間の問題です。

広告業界で使用されるクリエイティブにとどまらず、「仕事を創り出す」という観点においても、過去のセオリーを踏襲するだけでは不十分なフェーズに来ているのかもしれません。

パラレルキャリア時代の気になるキーワード

リーン・スタートアップ

むしろ地図など初めから持たずに、市場の変化を敏感に感じ取るコンパスを手に、しなやかにプロダクトの方向性を変えていった方が良い。

リーン・スタートアップとは、できるだけコストをかけずに、小さな規模からはじめるプロジェクトのことを言います。

インターネットの爆発的な普及によって、プロジェクトを立ち上げるのにかかるコストは減少の一途を辿っています。
これまでのプロジェクトの立ち上げ方といえば、失敗を恐れて、綿密な調査と計画・資金繰りのポートフォリオを作ってからようやく立ち上げるというような感じでしたが、現代では、とりあえず立ち上げてみてユーザーの反応を見ながらブラッシュアップを行うというようなやり方の方が効率的だと本書では指摘しています。

クラウドファンディング

前述のリーン・スタートアップを後押しする仕組みとして、クラウドファンディングという仕組みが脚光を浴びています。
インターネット上でアイディア、いわば事業のタネとなるもの告知し、それに賛同する人が集まればスポンサーとして資金調達を受けられるというものです。
新たなプロジェクトを立ち上げるのにコストが少なくなったとはいえ、その少ないコストをかけるのも難しいような個人・組織にとって、非常に有益なサービスだといえるでしょう。

クラウドソーシング

Lancersなどをはじめとして、自社で保有するのにコストがかかるようなスキルについては、クラウドを通して手軽に供給を受けることができる時代になりました。
今後、クラウドソーシングを活用しない企業は存続することができないといわれているほど、重要なファクターとなりつつあります。

まとめ:より良いプロジェクトを生み出しやすい時代へ

私自身、収入の軸は複数持っておかないといけないという危機感を持っており、パラレルキャリアという言葉の響きに惹かれて本書を手に取ったのですが、仕事に求められるファクターが今後、スキルよりも評価・人間性に移ってくるということに改めてハッとさせられる部分がありました。
今自分がやっていることが社会にどのようなインパクトを与えているのか、また、それを進めるにあたってのプロセスにおいても、是非を吟味していく必要がありそうです。

日々忙しいなかで、人間性や評価といった精神的な部分が関わる要素についてはついつい忘れがちなのですが、本来人間である以上、そこが一番重要な部分だということを再認識できました。

本書を読んで希望を持てた部分としては、これまで私がWebディレクターとしてキャリアを積んできたので、どうしても自分が持っているスキルの中でプロジェクトを完結させてしまおうとしてしまう傾向にあったのですが、インターネットでつながっている私たちは他者のスキルもお借りして共により良いプロジェクトを生み出せる時代になりつつあるということでした。

私と同じように、狭いハコの中でくすぶっている人は是非、ご一読いただければと思える内容です。

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